この記事では実際にEzRobot(イージーロボット)で業務を自動化させるためにどのような機能があるのかを紹介していきます。
今回は繰り返し編。繰り返し処理を上手く使用すれば、延々と同じような作業を実行してくれるロボットが作成できることでしょう。
繰り返しについて理解して、ロボット作成に役立てていきましょう。
繰り返し処理とは
作成するロボットの中には、同じ作業を何度も実行させる処理が多々あると思います。ただ、ロボットのシナリオ作成の際に同じ処理を何度も記述することは、効率が良いとは言えないでしょう。
1回分記述させれば、その処理を何度でも繰り返し実行してくれる機能があれば便利だと思いませんか?
その機能が繰り返し処理となります。
つまり、繰り返し処理とは、作成されたプログラムやロボットの特定の処理に対して同じことを繰り返し実施させる命令のことと言えるでしょう。
なお、EzRobot(イージーロボット)では、状況に応じた繰り返し処理が用意されています。
表:EzRobot(イージーロボット)のおける繰り返し処理の種類
繰り返し処理の種類 |
指定された画像が消えるまで繰り返す |
指定された画像が表示されるまで繰り返す |
指定された条件を満たすまで繰り返す |
指定された回数を繰り返す |
指定されたフォルダ内のファイルを一巡するまで繰り返す |
繰り返し処理を活用してロボット作成をしてみよう
では、身近なテーマを例に挙げ、ロボットを作成しながら繰り返し処理を使えるように練習していきましょう。
今回はGoogleの翻訳機能を使って、簡単な英単語帳を作ります。
以下のリストのA列の翻訳結果をB列へ埋めていきましょう。
なお、完成すれば以下動画の様な動作をするロボットが作成されます。
1.ロボットにやらせることを手順としてまとめる
まずはロボットにやらせることを手順としてまとめてみましょう。
今回は以下の様な手順で進めていきます。
なお、手順を決める際は、最初にロボットにやらせることを一通り手作業でやってみるととイメージが湧きやすくなるでしょう。
①google翻訳と単語帳ファイルをそれぞれ開く
②単語を取得する
③google翻訳で調べ、結果をコピーする
④結果を転記する
⑤:②~④を5回繰り返す
なお、手順にあるように、今回繰り返し処理を使用するのは単語を取得→翻訳で調べる→結果を転記する箇所になります。
2.実際にロボットを作成してみよう
では、まとめた手順をもとにロボットを作成していきましょう。
2-1.google翻訳と単語帳ファイルをそれぞれ開く
まずは、あらかじめGoogle翻訳のURLを調べておきましょう。今回はコチラのURLを使用しています。
最初にGoogle翻訳を開く工程をロボット化していきます。
機能ボタンの「Web」から「Webブラウザを開く」を選択します。次に作業対象内のそれぞれの項目を埋めていきます。今回は以下の様にしました。
URL:https://translate.google.com/?sl=ja&tl=en&op=translate
ブラウザ:Google Chrome
ウィンドウ最大化:チェックマーク有
ブラウザID:Browser1(デフォルトで設定されています)
環境によっては翻訳サイトが立ち上がるまでに時間がかかる場合がありますので、機能ボタンの「その他」から「秒数待機」を選択しましょう。今回は5秒間に設定しました。
次に英単語帳ファイル(エクセルファイル)を開きましょう。
機能ボタンの「Excel」から「セル指定」を選択後、先ほど同様に作業対象内の記入欄を埋めていきます。
ファイルパスは参照ボタンをクリックして、エクセルの英単語帳ファイルを選択しましょう。シート名は「英単語帳」、セルは単語リストの開始位置である「A1」を記入しました。
2-2.単語を取得する
まずは事前に調べる単語を格納する変数を用意しましょう。なお、変数については前回の記事で説明していますので、よければ参考にしてみてください。
今回は変数名が「翻訳する単語」という変数を用意しました。
さて、ここからの処理に繰り返し処理を使用していきましょう。
機能ボタンの「繰り返し」から「回数指定」を選択します。今回は5つの単語なので繰り返し回数は「5」にします。
これにより、以下画像の「特定の回数繰り返す 開始」と「特定の回数繰り返す 終了」の作業は5回繰り返されるようになります。なお、以下の例では「全面化」、「クリック」、「秒数待機」の3つのコマンドが5回繰り返し行われることになります。
※以下画像では例として適当なコマンドをいれています。
作業に戻りましょう。
翻訳する単語を取得し変数に格納したいので、機能ボタンの「変数」から「変数に格納」を選択し、変数名を記入しましょう。
なお、用意していない変数名を入力した場合、[変数入力]の部分がトーンダウンしたままになります。変数名を入力した後はアクティブになっていることを確認しましょう。
さて、現在までの工程でロボットを動作させると以下の様に英単語帳シートのA1がアクティブになっているかと思います。
その状態で「変数に格納」を実行すると、アクティブになっているセルの値が変数に格納されます。
なお、今回の場合だとA1の値の「集計」が変数に格納されます。
これで、翻訳する値が取得できました。
なお、ここまでのロボットのシナリオは以下の様になっています。
2-3.google翻訳で調べ、結果をコピーする
次に取得した値をGoogle翻訳で調べましょう。
ただ、現在のままだと作業ウィンドウがエクセルのままですので、まずは翻訳サイトへ作業ウィンドウを切り替えてあげましょう。
機能ボタンの「その他」から「ウィンドウ前面化」を選択します。作業対象のウィンドウタイトルへ翻訳サイトのウィンドウタイトルを入力します。
なお、サイトがすでに開かれている場合は横のタブから選択できます。今回は「Google 翻訳」と記入しました。
※ウィンドウタイトルが重複していたり、名前が部分一致しない場合はエラーが発生する場合がありますので、注意してください。ちなみに、上の例だとGoogleと翻訳の間が全角スペースだとエラーが発生します。
さて、作業ウィンドウを切り替えた直後の翻訳サイトは以下の様に文字が入力できる状態になっています。
ここで、ロボットに先ほど格納した変数の値を入力させましょう。
機能ボタンの「キーボード」から「文字」を選択し、入力文字に翻訳する値を格納した変数名を入力します。
1週目の繰り返しの結果は以下の様になるでしょう。
次に、翻訳結果をコピーしていきます。
上の画像にて、右側の赤枠で囲まれたところをクリックすればコピーができるようです。
では、ロボットにクリックしてもらいましょう。
機能ボタンの「マウス」から「クリック」を選択すると以下の様なポップアップが表示されるので、「画像認識でクリック」を選択しましょう。
※画像認識の機能を使用する場合、ディスプレイのレイアウト設定を100%に設定しておく必要があります。
認識させる画像を赤枠で囲み、クリックする位置を指定しましょう。今回は以下の画像の様に、ファイル画像の周辺を赤枠で囲み、その中心をクリックさせるように指定しました。
念のため、画像が認識されるかどうかテストしてみましょう。
作業対象のテストをクリックします。
成功しました!!
コピーした後は、次の単語を入力させるために、翻訳結果画面内の[×]を押して「集計」の文字が空白になるようにリセットします。
ロボットに「×」を押させましょう。
これで翻訳結果を取得することし、次の単語を翻訳する準備も整いました。
最後に取得した翻訳結果を転記していきましょう。
2-4.結果を転記する
まずは作業ウィンドウを切り替えましょう。先ほどと同様に全面化の機能を使用し、エクセルのファイルへ切り替えます。ウィンドウタイトルはファイル名の「繰り返し練習_英単語帳.xlsx」にしました
切り替え直後、ファイル内ではA列のセルが選択されているので、キーボードの矢印キー「→」操作で右側のセルへ移動させましょう。
機能ボタンの「キーボード」から「キー操作」を選択します。次に作業対象内の「キー」の入力タブを選択し、「→」キーを押しましょう。以下の様になるはずです。
これで、転記する位置にセルを合わせることができました。
次に、翻訳結果を転記させましょう。
先ほどコピーした値を貼り付けるため、同様にキーボード操作でCtrl + Vを実行させましょう。
翻訳結果を転記できました!!
最後に、次に翻訳する値のセルを選択してあげれば完了です!!
上の画像からキーボードで「↓」、「←」としてあげれば、出来そうですね。
では、やっていきましょう。
選択されました。
あとは「2-2.単語を取得」する処理へ戻り、4回だけ繰り返してくれることでしょう。
以上でロボットは完成です。お疲れ様でした!!
なお、完成したロボットのシナリオは以下の様になっています。(作業内容列が青に塗りつぶされている箇所が繰り返し行われる処理となっています。)
さいごに
いかがだったでしょうか。この記事を読んで、少しでも繰り返し処理が使えるようになって頂ければ幸いです。
繰り返し処理はロボット作成を行う上でか欠かせない要素です。
繰り返し処理を駆使して、定形的な事務作業なども含めて様々な作業をEzRobot(イージーロボット)にお任せしてしまいましょう!!
さて、次回は条件分岐の機能について紹介します。