人手不足や働き方改革の推進などの昨今の状況から、RPAツールの導入を検討される方が増えているかと思います。
しかし、実際に導入するにあたり費用はどの程度かかるのか、いまいちイメージができないという方も多いのではないでしょうか。
そのようなお悩みを解決するため、今回は導入費用を構成する4つの要素とそれぞれの目安について解説していきます。
RPAツールを導入する上で必要な費用とは
RPA導入の費用は主にRPAの提供タイプと各ツール毎、加えて導入規模によって異なります。
提供タイプは次の3つに分けられます。概要とメリット・デメリットを簡単にまとめましたので、参考にしてください。
デスクトップ型
概要:1台のパソコンにインストールして、そのパソコン内で完結する業務を自動化
メリット:導入コストが比較的安価、直感的な操作で使えるツールが多く、初心者でも使いやすい
デメリット:個別のパソコンで管理するゆえのロボットのブラックボックス化、ロボット実行中はそのパソコン上が占有されるため他の作業が行えない
クラウド型
概要:Web経由でロボットを使用してWebブラウザ上で行う作業を自動化するクラウドサーバー上のRPAツール
メリット:サイトにログインすれば利用可能なため、環境構築が不要。自動アップデートで常に最新機能が使用できる。
デメリット:クラウド上に業務データをアップすることなどへのセキュリティ面での懸念、Web経由でアクセスできないソフトの起動や操作などができない。
サーバー型
概要:自社サーバーに導入し、サーバー上で業務を自動化。大規模事業者向けのRPAツール
メリット:自社サーバー内で運用するため、セキュリティの安全性が高く、大量ロボットの一括管理や全社的なRPAの導入が可能
デメリット:高機能かつ多機能であるため高額となり、コスト面でのハードルが高い。また、多機能なため、初心者ユーザーが操作し、実際にロボットを作成するには難しい場合もある。
費用を安く抑えたい場合、デスクトップ型やクラウド型が候補となりますが、大規模な導入を検討している企業には向かないでしょう。
自動化したい業務や導入後の運用方針を事前に精査し、自動化したい業務の範囲に合わせた提供タイプと必要な機能を備えたRPAツールを選択することをお勧めします。
それでは、費用を構成する4つの要素について詳しく見ていきましょう。
1.初期費用について
まずは、導入時に発生する初期費用についてです。
上述の通り、導入コストは提供タイプや各ツール毎により異なりますが、大まかな目安は以下の通りになります。
提供タイプ | 初期費用(目安) |
---|---|
デスクトップ型 | 0~20万円程度 |
クラウド型 | 30~50万円程度 |
サーバー型 | 100万円~ |
提供タイプによっては初期費用を安く抑えることができるでしょう。
サーバー型の導入費用の目安は上記のものとなりますが、ツールによっては初期費用として年間利用料等が含まれている場合もあります。
2.月額費用について
RPAツールを利用するには導入費用とは別にライセンス料として、月々に料金が発生します。
こちらも、提供タイプと各ツール毎によって異なりますが、大まかな目安は以下の通りになります。
提供タイプ | 月額費用(目安) |
---|---|
デスクトップ型 | 5万円~ |
クラウド型 | 10万円~ |
RPAは導入後も費用が発生するため、長期的な目線でコストを考える必要があるでしょう。
サーバー型に関しては導入費用として年間利用料が含まれるケースがあり、一概には言えないため、ベンダーへの問い合わせが必要です。
3.サポート費用について
ロボットの作成や保守・運用に行き詰った際にベンダーのサポートがあれば心強いため、サポートの有無及び内容を事前に確認しておくと良いでしょう。
サポート内容の例として、次のようなものがあげられます。
- リモートサポート
- 各種研修会実施
- RPAツールや業務ロボットに関する質疑応答・調査
- ヘルプデスク
なお、サポートにかかる費用に関してですが、月々のライセンス料に含まれる場合や別途請求されるケースなど、RPAツールによって異なるため、ベンダーへの問い合わせが必要でしょう。
4.その他の費用について
その他の費用として、RPAツールの導入にあたり、現場の従業員に対する人件費も見逃せません。
RPAツールを導入する際に考えられる従業員の作業は次のようなものが挙げられます。
- ツールの選定作業
- 自動化する業務の選定作業
- ロボットの作成
- 運用ルールの策定
- ツール研修会への参加
これらの作業はいずれも時間がかかる可能性が高いため、RPAツールの導入・運用等に携わる従業員の人件費も、導入費用の一部として考慮に入れるべきでしょう。
また、ロボット作成を外注するかまたは自社で行うかで費用も変わってきます。
おすすめの助成金「働き方改革推進支援助成金(勤務間インターバル導入コース)」について
「勤務間インターバル」とは、勤務終了後、次の勤務までに一定時間以上の「休息時間」を設けることで、働く方の生活時間や睡眠時間を確保し、健康保持や過重労働の防止を図るもので、その成果が認められると助成金の支給対象となります。
加えて、対象が中小企業の事業者に絞られるなど、自社が申請要件を満たしているかを事前に確認する必要はありますが、要件を満たしていれば助成金を受け取れる可能性は高いでしょう。
関連記事:RPAを実質1年間無料で使うことができる? RPA導入で活用できる助成金
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まとめ
RPAツール導入の費用は、導入規模や自動化したい業務によって提供タイプやツールが異なるため、断定することが困難です。
そのため、詳細な費用は実際にベンダーへの問い合わせをお勧めします。
しかし、料金を構成する要素に大きな差はないため、導入を検討する際は、各要素の料金をツール毎に比較しながら検討するとするとよいでしょう。
また、今回紹介した助成金ような公的な機関の補助を利用することで、費用を抑えることも可能ですので、積極的に活用しましょう。