フードコートの出店時にかかる費用は大きく分けて、「①店舗取得時にかかる費用」「②工事や機器にかかる費用」「③その他の費用(加盟金、加盟保証金、備品代など)」これらの3種類に分けることができます。
この中でも特に大きな割合を占めるのが、店舗取得時と工事や機器にかかる費用です。
特にフードコート出店では商業施設が指定した業者にしか工事を依頼できなかったり、選べる工事業者の選択肢が極端少ないといったケースもあり、内装工事だけで1,000万円以上かかることも珍しくありません。
本記事では、このようなフードコートの出店にかかる費用の内訳や、出店費用を抑えるためのポイントを紹介します。
店舗取得時にかかる費用
店舗物件の取得費用とは、前家賃や保証金、不動産仲介手数料など、物件を借りるために必要な費用を総称したものです。
この項目では、フードコートの物件を取得する際にかかる費用の項目を紹介します。
開業前家賃、保証金、仲介手数料
「保証金」は賃料未払いが起こった際や、立ち退き時の原状回復工事の補填として利用されるもので、住宅賃貸でいう「敷金」にあたります。
「仲介手数料」は、不動産に対して支払う仲介手数料です。
造作譲渡費
「造作譲渡費(ぞうさくじょうとりょう)」は、居抜き物件を受け継ぐ場合にかかる費用の項目です。
前の店舗が使用していた内装や設備を残した物件を「居抜き物件」といい、このタイプの物件を借りるときは前の借主に譲渡代金を支払う必要があるケースもあります。ただし居抜き物件には無償で譲渡できる場合もあり、譲渡代金が発生するか否かは一概に言えません。
工事・機器に関する費用
工事や機器にかかる費用も、フードコートの出店にかかる費用を大きく占める項目です。この項目では、フードコート出店に必要な工事の内容や、機器の費用について紹介します。
B工事・C工事
オフィスや商業施設での工事は、「A工事」「B工事」「C工事」の3種類に分けられ、これらの工事は「誰が工事費用を負担するか」「誰が工事業者の選定を行うか」といった要素によって分類されます。
費用負担 | 工事業者 | |
---|---|---|
A工事 | オーナー | オーナー指定業者 |
B工事 | 入居者 | |
C工事 | 入居者指定業者 |
(参考:店舗HACKS|A工事・B工事・C工事の違いとは?工事区分表と内容を徹底解説)
このうちフードコート出店者が費用を負担する工事は「B工事」「C工事」の2種で、B工事ではオーナーが選んだ指定業者を使って工事を実施します。B工事の施工内容としては、防災・空調設備、防水工事、厨房給排気工事、給排水工事などが含まれます。
いっぽう、内装工事や照明器具などの工事はC工事に含まれ、C工事については入居者が工事業者を選べるのが基本です。
このうち特に工事費用が高くなるのは「B工事」で、オーナーから指定された業者は相場より2倍、3倍高い価格を指定する場合も珍しくありません。
また、入居先の商業施設によってはC工事を依頼できる業者の選択肢があらかじめ用意されており、工事発注先に制限がつく「指定C」が適用される場合もあります。
厨房機器費
コンロやシンクといった厨房機器に関する規定は施設によりさまざまです。たとえば自身で用意したものを取り付けできる場合もあります。
また、機材自体は指定業者外から購入できるものの、取り付け作業は指定業者に依頼する必要があるなど、部分的な制限がつくこともあります。
その他の費用
この項目では、店舗物件の取得や工事・機器以外の項目でフードコートの出店にかかる費用を紹介します。
加盟金・保証金
飲食店などの親企業に加盟店し、商売のノウハウやブランドの使用許可を得る「フランチャイズ」を利用して出店する場合、物件取得費用や工事費用のほかに「加盟金」「加盟保証金」を本部企業に支払う必要があります。
加盟金と加盟保証金はどちらも契約開始時に支払い、加盟保証金は契約終了時に本社から返還される仕組みです。加盟金の相場は300万円程度、保証金は200〜300万円が一般的とされています。
人材募集費、販売促進費
他の項目と比べると大きな支出ではないものの、開店時にはオープンチラシや販売促進物を作る必要があり、これらの広告費用として200万〜300万円程度がかかるといわれています。
フードコート出店費用を安く抑えるには?
フードコートの出店費用の多くを占めるのは「店舗取得費用」と「工事・機器にかかる費用」です。特に工事は指定業者を利用しなければいけない制度があるため、費用が相場より高くなりがちです。
そこでこの項目では、フードコート出店にかかる費用を安く抑えるためのポイントをご紹介します。
厨房機器を節約する
自分で業者を選べる場合、価格比較を行い、機材を安く仕入れられる業者から購入することで費用の節約に期待できます。
また、居抜き物件の場合は厨房機器をそのまま受け継ぐこともできます。
工事費用削減サービスを使う
フードコートの出店では、指定業者を介して施工する「B工事」がとりわけ高額な設定で掲示され、出店費用の大きな割合を占めることになります。
しかし工事に関する費用は「工事費用削減サービス」を利用すると削減できる可能性があります。「工事費用削減サービス」とは、専門のコンサルタントが業界相場や他社情報と見積もり額を比較し、工事業者との価格交渉を代行するサービスです。
専門知識が求められる工事見積もりの分析や交渉にも、業界に詳しい専門家の力を借りることで、的確なサポートが得られます。
まとめ
フードコートの出店にかかる費用の多くは、「店舗物件取得にかかる費用」「工事・機器にかかる費用」の二つが占めています。
フードコートは商業施設のもつ集客力を活用できるというメリットがある一方、商業施設が定める規定が厳しく、とくに指定された業者にしか工事を頼めない「B工事」がコストを圧迫しがちです。
入店時のコストをなるべく抑えるには、厨房機器や備品の調達方法を工夫する他、工事費用を削減する「工事費用削減サービス」を利用するなど、コンサルティングの力を借りるといった選択もあります。
入居する予定の施設の規定や、自身の状況と照らし合わせた上で費用削減の方法を検討してみましょう。
弊社が紹介する「工事費用削減サービス」では、「内装工事」「新築工事」「空調工事」などをはじめ120種以上の工種で費用削減の相談を承っています。
工事削減実績は700件以上、平均削減率23%、最大の削減率は75%の実績に加え、発注者様の状況にあわせた交渉代行やアドバイスを提案できることが本サービスの特徴です。
「古くからの付き合いがある業者がいる」
「指定された工事業者にしか工事を頼めない」
例えばこのような状況でもご安心ください。交渉のパターンは複数種あり、工事業者やテナントオーナー様との関係を保った形での費用削減が可能です。詳しくは上記のフォームにメールアドレスと名前をご入力のうえ、資料をご確認ください。
<参考>
飲食総合コンサルティング会社 コロンブスのたまご:飲食よくあるご質問
株式会社フォーシーズ:フランチャイズ
牛たん仙台 なとり:フランチャイズパッケージ (フードコートタイプ)
SMART SHOP GUIDE:ショッピングモールの出店は避けるべき|店舗の利益と費用のカラクリ
リフォマ:店舗の内装工事にかかる費用は? 予算を決めるときのポイントを解説
NACS:朝食で世界的に有名なレストランのB工事で16%を削減!
NACS:LA BETTOLA da Ochiaiの金沢出店で15%B工事費削減!
estie:確認しておきたいA工事、B工事、C工事(ABC工事)
店舗HACKS:A工事・B工事・C工事の違いとは?工事区分表と内容を徹底解説
しょくばデザイン:A工事、B工事、C工事の違いとは?オフィス移転時は注意して!
一級建築士事務所 カジャグーグー:店舗デザイン<工事区分表>
店舗デザインマガジン:飲食店の内装工事で使う「A工事」「B工事」「C工事」って何? 3つの違いを解説
Foodist:飲食店を商業施設へ出店する際のメリット・デメリットを考える
フランチャイズ加盟募集.net:フランチャイズなら居抜き物件を活用できる!特徴やオススメのFC
フランチャイズWEBサポート:保証金
飲食店.COM:中古厨房機器を購入する際に注意すべき3つのポイント
Foodist:飲食店を商業施設へ出店する際のメリット・デメリットを考える
NACS:B工事の相場と取組方法
SCテナントサービス:ショッピングセンターの賃料(家賃)について教えて欲しい!
九州らーめん亀王ちゃぁしゅう屋:フランチャイズのご案内